□構造式1:S+V+N1 (the fact) that-cl(N2) (同格の接続詞that)
⇒展開式:S+V+N1=N2(N1とN2が同格関係)

□構造式2:S+V+N1(先行詞) that-cl(N2)(関係代名詞that)
⇒展開式:S+V+N1+N2-cl(N1(S2)+V2)(N1の代名詞がN2節内の構成要素


同格表現の接続語thatにしても、また関係代名詞thatにしてもその働きは共に同じです。すなわち、前方の名詞ないしは名詞相当語句(N1)の内容を後方の付加的構造物(N2)で説明しているのです。

しかし、その構造的役割が同じであっても、表現法の違いによって訳出は異なってくるのです。一方の訳出は「N2というN1」となりますし、他方は「N2であるところのN1」となるのです。

従って、両者の明確な区別を構造的に示す必要があり、それが2つの展開式なのです。つまり、接続詞thatの場合は、従属節(N2)を前方の名詞ないしは名詞相当語句に「接続させる働きだけ」であり、その意味でN2内の従動詞の構造的機能は満たされているのです。

ところが、他方の関係詞thatの場合は、関係詞節(N2)を前方の名詞ないしは名詞相当語句である「先行詞」(N1)に「接続させる働き」だけではなく、関係詞自らが関係詞節(N2)の一つの構成要素(例えば、主語や目的語や補語)になっているのです。


(訳出における効力関係)
同格の場合:N1=N2(対等関係)
関係詞の場合:N1>N2(主従関係)


以上のことを踏まえて訳し分けしなければなりません。

同格の接続詞に用いられる前方の名詞(N1)の種類、例えばfactやdoubtなど、また関係詞の先行詞(N1)の種類に頼って訳出することは避けなければならないということです。

それぞれの語彙の構造的機能、特に従属節(N2)内の従動詞の構造的機能を把握することによって、原文の真の文意を把握することができるし、そしてそれを言語変換する方法が訳出法と日本語表現法なのです。

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