(資料)英日翻訳コンテスト 第293回


□ 構造式1:efforts by Democrats to halt~
 ⇒展開式:efforts to-inf(名詞とto-infの関係)

□ 構造式2:tried and failed ~, to challenge the conflict
 ⇒展開式:Vt and Vi, to-inf2(動詞とto-infの関係)


付加的構造物を訳出するには、日本の本動詞が文末にくるために、必然的に付加的構造物から主要構造物へ「訳し上げる」ことが学校文法の一つの法則になっていました。

しかし、そもそも左から右への言語表現を右から左へ変換することは、①原文の論理性を修正する結果文意に当然誤差が生まれます。②かといって、左から右へ訳し下げようとすると、仮に付加的構造物が、今回取り上げるような動詞の変化形から構成される不定詞の場合、主要構造物の本動詞との間に効力関係である「主従関係」を崩し、「従主関係」になってしまうからです

今回は、付加的構造物の中でも動詞の変化形によって構成される不定詞を取り上げ、簡潔に説明します。

付加的構造物を英文の流れに沿って、「左から右へ」訳し下げることができるためには、一定の条件が必要です。それは、不定詞の動詞の原形が本動詞と対等の構造的機能を持っているということです。

それを明確に示しているのが、副詞「onlyないしはnever」が不定詞の直前で不定詞を修飾していることです。もう一つのケースは、本動詞そのものの構造的機能によって、不定詞を「結果」の本動詞として扱われる場合です。

いずれの場合も、2つの動詞の意味論上の相互関係を見て判断することになります。

この問題は、付加的構造物の中の「現在分詞」の表現法に応用するころができますが、前置詞語句や従属接続詞節や関係詞節には応用できません。

(資料)英日英語検定 第111回


□ 構造式1:(S)+Vt 1 ~and Vt2 +O (英文の正しい構造式)
⇒ 日本語の構造式:(S)+O+Vt1 and (O)+Vt2 (日本語の正しい構造式)
⇒ 多くの答案の構造式:(S)+Vt1 and O+Vt2 (日本語の間違いの構造式)

□ 構造式2:(S)+V1+O, V2-ing ~
⇒ 日本語の構造式:
(1) V2-ing+O+V1 (V2-ingを分詞形容詞と捉える)
(2) O+V2-ing+V1 (V2-ingを分詞構文の付帯状況と捉える)
(3) O+V1, and V2 (V2-ingを分詞構文の等位接続詞の省略と捉える)


上記で示した2つの構造式は何か?というと、英語と日本の構造的配列が違うために、翻訳するに際してどのような点に注意しなければならないかを示したものです。

構造式1の事例は、翻訳コンテスト企画の英日翻訳検定を資料として示したもので、構造式2は同様の流れの中で度々使用される現在分詞形の表現法を取り上げたものです。

いずれの構造式を見てわかるように、同じ英語の構造式を日本語では異なった構造式で言語変換しているのです。いうまでもなくお互いに異文化言語だからです。

ということは、そもそも異なった構造式によって「文意同一」にするためにはどうすればいいのか?という大問題が出てくるのです。我が国の学校文法を見ると、一部に英文構造の特徴を「5文型」として取り扱ってはいるけれども、残念ながらそれが英文解釈法の基本にはなっていません。日本語として通じる表現法、例えば単語や語句、あるいは構文など英文構造の一部の暗記が中心です。「誤訳天国」といわれるのもさもあらんということです。

従って、英文構造の科学的分析なくして正しい翻訳はできません。もちろん、同じ文意を異なった構造式で表現するというのは、当然若干の誤差(discrepancy)が生まれます。しかし、科学的法則にしたがった処理であれば、誤差が極めて近いということであり、21世紀が求める要求に合致しているのです。

要するに、語順に違いによる誤訳を避けるためには、上記の2つの構造式から分かるように「本動詞の配置」が両言語間で異なるということです。しかも、英語ではこの本動詞の機能が他の構造物の配置や用法までも決定する「構造的機能」を持っているということです。

その動詞の構造的機能を知らないで翻訳することはできません。本動詞は文頭の主要構造物の中心に配置され、以下の付加的構造物を支配しているのです。構造式1では2つの動詞が他動詞として1つの目的語を要求しているし、構造式2では本動詞V1の働きを中心として後方の現在分詞形の構造的機能を決定することになります。

その3種類の決定は、すべて本動詞V1との相互関係によるのです。

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