□ 構造式1:pressure(S)+V(for+O) to-inf(述部の不定詞が主語に接続)
 ⇒展開式1:pressure to-inf(to不定詞の形容詞的用法)
  ⇒展開式2:press+O+ to-inf(to不定詞の副詞的用法)

□ 構造式2:the stakes (for+O) to-inf(to不定詞の形容詞的用法)
 ⇒展開式:(for+O) to-inf = S+V(節、nexus法則)


to不定詞は「動詞の原形」にtoという「手」がついた語句とでもいえる構造的機能を持った表現法です。

ですから、toという「手」によって英文構造の何かをつかむことができるという意味において、to不定詞は文要素を中心とする主要構造物に対して付加的構造物ということができます。この付加的構造物は主要構造物のあらゆる構成要素をつかむことはできません。名詞と動詞と形容詞が基本であって、文全体をつかむこともできます。名詞をつかめば形容詞的用法、そして動詞や形容詞、そして文全体をつかめば副詞的用法ということになります。

もっとも、不定詞は主語やbe動詞や目的語の直後にあって一つの文要素、すなわち「補語(主格補語、目的格補語)」となることもできます。その場合は名詞的用法もしくは形容詞的用法となります(詳細は省略します)。

付加的構造物の働きは、直前の「被接続語」に接続して(その意味で、to不定詞はある種の接続語の構造的機能がある)被接続語の詳細を説明する働きがあるのです。その点だけでいえば先行詞と節をつなぐ「関係詞」の働きに実に似た働きがあるのです。

しかし、関係詞の場合の被接続語である「先行詞(antecedent)」の特定は、非常に容易ですが、to不定詞の場合は非常に困難です。

そこで「判断基準」になるのは、上記したように(1)不定詞は特定の品詞に接続するということに加えて、(2)「動詞の原形」によって構成された語句であるために、英文の基本構造である「nexus法則(主述関係)」が成り立ち(for+O~to-inf=S+V、意味上の主語・述語の関係)、その節が形成する文意と直前の被接続語の密接な関係(内容的一致)によって特定することになります(不定詞には被接続語の詳細を説明する働きがあるから)。

この視点に立って、構造式1と構造式2を見てください。構造式1の被接続語pressureとto不定詞は主部と述部に配置が大きく分かれていますが(nexus法則の働きによるもの)、上記した2つの「判断基準」からto不定詞と名詞pressureが結合されるのが分かると思います。

結果として、上記の展開式で示したように、名詞pressureやstakesには「to不定詞」を求める構造的機能があるということになります。


□ 構造式:tell that-cl (S+V)
 ⇒展開式: tell, “S+V” (話法Narration)
 ⇒英語native
   解釈:adv-phr, S+V
 ⇒日本語native
   解釈:O (S+V)+tell


「従属接続詞」thatの構造的機能は、他の接続詞whenやasと比較して若干異なっていることを知る必要があります。

そもそも、従属接続詞の基本的な構造的機能は「従属節の従動詞を抱えて主節の本動詞に繋ぐ」働きですが、この働きは接続詞whenやasについてはありえても、接続詞thatにはありえないのです。

というのは、時に関するwhen節や理由に関するas節は、本動詞の前提となる「時・理由」の役割でもって、本動詞に接続しているからです。従って、その節の性質は「副詞節」ということになります。

ところが、that節は従属節を抱えて主節の主語や目的語や補語などの文要素になるという方法で、主節と従属節が結合されているのです。

ということは、確かに接続詞thatは2つの節を結合させているという点で接続詞であるということができるけれども、主節の本動詞との関係で「従属接続詞」ということができるかどうかには疑問が残るということです。

ということから、上記の「日本語nativeの解釈」に従って接続詞whenやasと同様に、「付加的構造物」の基本的な訳出法である「右から左へ訳し上げる」方法が適切であるとは必ずしも言えないことが分かります。

この問題を解く一つの手がかりになる表現法が、上記で示した「構造式」と「展開式」及び「英語nativeの解釈」なのです。従って、that節の訳出法には2つあって、1つはthatを従属接続詞であると捉えて「右から左へ訳し上げる」方法と、もう一つは主節の本動詞の構造的機能を文意の中心とするのではなく、以下の文表現の構造を決定する働きととらえて、「左から右へ訳し下げる」方法があるということです。

この問題は、「導入表現法」である主節の扱い方に直結した問題で、拙著「実践から学ぶ~」でも取り上げています。


□ 構造式1:either A or B(either ~ orの相関語句)
□ 構造式2:have yet to(yetの潜伏否定の用法)
  ⇒展開式:have yet to ≒ have not pp ~ yet(完了否定)   
□ 構造式3:(have yet to)+(either A or B)
  ⇒展開式:(not)+(either A or B) = neither A nor B


構造式1は、英文の構成要素のAかBのいずれかを選択する相関語句です。もちろん副詞eitherを使わないで等位接続詞orによっても「AかBのいずれか」を表現することはできますが、orにはそれ以外の多様な構造的機能を持っているために、副詞eitherを用いることによって意味の明確化と構成要素であるAとBを強調することができるのです。

今回のテーマは、このeither ~ orの慣用語句に否定の副詞yetを合体した場合の効果について取り上げます。

それが構造式3です。副詞yetには多くの構造的機能がありますが、この「潜伏否定語」としての用法はその一つです。単純な否定(not)ではなく、肯定文の中で「完了否定(まだ~し終えていない)」の意味を持つ用法なのです。

そして、構造式2が示すように助動詞have toと合体する形で用いられることがありますが、その理由は肯定文で使用される「潜伏否定語」に特有の「完了否定」の意味があるからです。つまり、「まだ~し終えていない(から、これからし終えなければならない)」という「完了の義務(~し終えなければならない)」合わせて持っているからです。

これを助動詞「have to」で表現しているのです。

構造式3は、この「潜伏否定語」の表現法とeither ~ orという相関語句が合体した表現法です。

そこで、先ず、否定語とeither ~ orという相関語句が合体すれば、構造式3の展開式が示すように、構成要素であるAとBのいずれかを否定するものではなく、AとBの双方を否定することになります。

次に、それに加えて構造式2の展開式が示すように、否定が「完了否定(まだ~し終えていない)」の意味を持ち、さらに未完了に対して「完了の義務(~し終えなければならない)」という意味を暗に併せ持つ複雑な表現法なのです。

等位接続詞orが副詞eitherとyet、そして助動詞have toと組み合わさることによって、4重の意味が生まれているのです。

翻訳作業における語句の単なる意味の暗記ではなく、構造分析の重要性に気づいてもらいたいと思います。


□構造式1:S+V+N1 (the fact) that-cl(N2) (同格の接続詞that)
⇒展開式:S+V+N1=N2(N1とN2が同格関係)

□構造式2:S+V+N1(先行詞) that-cl(N2)(関係代名詞that)
⇒展開式:S+V+N1+N2-cl(N1(S2)+V2)(N1の代名詞がN2節内の構成要素


同格表現の接続語thatにしても、また関係代名詞thatにしてもその働きは共に同じです。すなわち、前方の名詞ないしは名詞相当語句(N1)の内容を後方の付加的構造物(N2)で説明しているのです。

しかし、その構造的役割が同じであっても、表現法の違いによって訳出は異なってくるのです。一方の訳出は「N2というN1」となりますし、他方は「N2であるところのN1」となるのです。

従って、両者の明確な区別を構造的に示す必要があり、それが2つの展開式なのです。つまり、接続詞thatの場合は、従属節(N2)を前方の名詞ないしは名詞相当語句に「接続させる働きだけ」であり、その意味でN2内の従動詞の構造的機能は満たされているのです。

ところが、他方の関係詞thatの場合は、関係詞節(N2)を前方の名詞ないしは名詞相当語句である「先行詞」(N1)に「接続させる働き」だけではなく、関係詞自らが関係詞節(N2)の一つの構成要素(例えば、主語や目的語や補語)になっているのです。


(訳出における効力関係)
同格の場合:N1=N2(対等関係)
関係詞の場合:N1>N2(主従関係)


以上のことを踏まえて訳し分けしなければなりません。

同格の接続詞に用いられる前方の名詞(N1)の種類、例えばfactやdoubtなど、また関係詞の先行詞(N1)の種類に頼って訳出することは避けなければならないということです。

それぞれの語彙の構造的機能、特に従属節(N2)内の従動詞の構造的機能を把握することによって、原文の真の文意を把握することができるし、そしてそれを言語変換する方法が訳出法と日本語表現法なのです。


□ 構造式: the degree to which S+V(関係代名詞whichの用法)
⇒展開式: to what degree S+V(関係代名詞whichを間接疑問詞に変容)                                    

□ 類例: the time when S+V(関係副詞whenの用法)
⇒展開式: when S+V(関係副詞whenを間接疑問詞に変容)


英文の構造配列が「主要構造物+付加的構造物」となっているために、真逆の配列の日本語に変換する場合一つの大きな問題に直面します。

それは、英文における主要構造物と付加的構造物の接続部分、すなわち両方の構造物の「接続関係」をそのままの形で切り離して、日本語に変換することは基本的にできないということです。

というのは、英文の付加的構造物は前方の主要構造物の内容を具体的に説明する、いわば「結論に対する理由付け」という論理展開の役割を果たしており、従って「接続関係」はその目的に応じた表現法が用いられているからです。このように、結論に対する理由付けという科学的証明法の構造配列を、日本語で逆さにするとどうなるでしょうか?

意味不明の表現法が文頭に配置され、それに続く結論となる主要構造物との関係が実に曖昧なものになることが分かると思います。要するに、英文の前半と後半を機械的に入れ替えて日本語に変換すれば、上記のように文意が曖昧になるどころか一致しないのはごく当たり前のことです。

それを少しでも意味の整合性を持たせるための「鍵の働き」をしているのが、上記の2つの展開式で示した「間接疑問詞」の活用なのです。つまり、英文の接続部分に用いられている「関係詞」を、日本語に変換するときに限定条件の下で「間接疑問詞」に変容させて訳出するということです。

もっとも、訳出上すべての関係詞を間接疑問詞に変容させることはできません。その限定条件は以下の通りです。

[関係詞を間接疑問詞に変容できる条件]

まず、関係詞の内部構造は、①関係詞節の従動詞を先行詞に接続させる働き(機能)、と②先行詞を関係詞内部に内包する(併せ持つ)働き(機能)があります。その場合の先行詞と関係詞の「意味が合致」する(一つの意味が先行詞と関係詞とで二重になっている)ときに、それを分かりやすい簡略化した表現法に変容させたものが「間接疑問詞」なのです。

事例)、構造式が示すのは、先行詞degree(extent)と関係詞whichの関係であり、類例が示すのは、先行詞the timeと関係詞whenの関係です。この表現法について、前者は「どの程度まで」と訳出し、後者は「いつ~するのか(ということ)」と、「間接疑問詞」の構造的機能によって訳出するということです。


□構造式1:S+ come as-cl (asは従属接続詞)
□構造式2:S+ come as+O(asは前置詞)
□構造式3:the time come when=cl(whenは関係副詞)


英文の構造が「主要構造物」+「付加的構造物」という日本語の構造とは真逆の「付加的構造物」が「主要構造物」の後付けになっているために、両者の構造物を接続するための「接続語」の選択が重要になってきます。

日本語であれば、付加的構造物を主要構造物に先付けで表現するために、付加的構造物が主要構造物を構成する名詞に接続するのであれば、「形容詞語句・節」として処理すればよいし、また動詞に接続するのであれば、「副詞語句・節」として処理すればよいのです。

しかも、上記の構造式にみるように、抽象化された主要構造物に加えてその主要構造物の中心的な構造物である動詞が、「完全自動詞」さらに「広義の意味」であれば、その意味の特定のために直後の「接続語」の果たす役割は一層重要になります。

***comeの意味には、往来発着、状態・事態の変化、時節・時間の到来、事態の発生・出現など多数ある。

そこで、上記の構造式1の接続詞asは「時(~のとき)」を表して、動詞comeに接続するのです。そして動詞comeの意味の最終的な決定は、いうまでもなくnexus法則(主述関係)に基づいて「主語」が行うことになります。

同様に、構造式2において前置詞asは「~として」という意味で動詞comeに接続するのです。後の処理は上記と同じです。

構造式3は、一見すると「時を表す従属接続詞」のように見えますが、それは構造式1の表現であって、この場合の接続語whenは「関係副詞」なのです。従って、その先行詞(antecedent)は主語のthe timeということになります。

訳出は、厳密に表現すると「(when以下の関係詞節を抱えて)~であるところの時」となるのです。

上記した事例のほかに、従属接続詞や前置詞として働くafterなどいくつかの接続語があります。


□構造式:A as well as B
⇒ 展開式1:not only B but also A (A in addition to B)
⇒ 展開式2:both A and B


構造式の「A as well as B」を展開式1でとらえると、as well asは「従属接続語」になり、訳出では「右から左へ訳し上げる」ことになりますが、展開式2でとらえると、「等位接続語」になり、「左から右へ訳し下げる」ことにあります。

なぜこのような2つの訳し方があるかというと、前者は後方の接続語asを構造的機能の「従属接続詞」を前提とする「構造論的捉え方」に立ち、一方後者は上記の展開式1の訳出表現は、実質的には展開式2と同じだとする「意味論的捉え方」に立っているからです。

しかし、英文は、言うまでもなく「意味論」を前提として「構造論」があるわけではありません。その真逆の表現法なのです。特に、構成要素Aの直後に「カンマ記号」があれば、その前半は「主要構造物」であり、そしてその後半は「付加的構造物」になります。ということは、「主要構造物」と「付加的構造物」の効力(力)関係は、「主従関係」が成り立つ、言い換えると「強勢と弱勢」の感懐が生まれ、訳出に際しては「右から左へ訳し上げる」ことになるのです。

これが、構造論に基づく原則的な訳出法なのです。しかし、構成要素A・Bの表現構造や表現内容次第では、両者の間の関係が「意味論」上「対等関係」にある場合には、接続語as well asを「等位接続語」と判断して「左から右へ訳し下げる」ことも原則的ではありませんが可能であるということです。

最後に、構成要素A・Bの表現法が「節ではなく、語や語句」形式になっている場合には、「接続語as well as」の構造的機能は「接続詞句」ではなく、前置詞化された「前置詞句」(展開式1)と捉えることができます。これは構造論の問題であり、同時に訳出表現を左右するものではありません。


□構造式: A(名詞) + 前置詞 + B(名詞)
□具体例:The Trump administration’s seizure of an oil tanker ~(前置詞ofに注目)
 ⇒展開式1:seizure(名詞) of an oil tanker(名詞) (ofが2つの名詞を接続)
 ⇒展開式2:seize an oil tanker(V+O / ofの目的格用法)


前置詞の基本的な「構造的機能」は、自らが抱える目的語の名詞を前方の動詞(名詞化されることがある)に接続することです。上記の構造式でいうと、前置詞は、名詞Bを抱えて前方の名詞Aにつなぐ働きを持っているということです。

この前置詞の働きによって、2つの構造物であるAとBの一体性が生まれ、「BのA」と訳出できるのです。この法則を上記の展開式1に当てはめると、「石油タンカーの拿捕」と訳出できます。この訳出ができるためには、2つの要素、1つは前置詞の「構造的機能(働き)」を知ること、そしてもう1つは、前置詞の持つ「の」という意味を知ることによって成り立つ論理なのです。

実に単純な作業ではないか!と思うかもしれませんが、実社会においてこの程度の知識では全く役立たないのです。なぜかというと、一言で言うと「前置詞の構造的機能はもっと複雑」だということです。1つは、前置詞には沢山の種類があること、また様々な用法(意味)があること、そして2つは、上記の構造式でいうと構造物Bは前置詞の直後にあるから特定しやすいけれども、構造物A(被接続語)は前置詞の遠く前方に離れて存在することが一般的であるために、どのようにして特定するかという問題があること、最後の3つは、仮に構造物Aを特定しても上記のように単純に「BのA」と訳出しても、意味不明という結果になるということです。

その解決法が、上記の展開式2なのです。要するに、英文に不可欠な構造物である「前置詞」を処理するためには、最初に述べた前置詞の基本的な構造的機能を深く理解することなのです。つまり、「前置詞の基本的な構造的機能は、自らが抱える目的語の名詞を前方の動詞(名詞化されることがある)に接続すること」であるために、仮に被接続語が名詞であっても、その名詞を「動詞化」して捉えることによって、被接続語(上記の構造式でいえば、構造物(A)を的確に特定できるのです。

ということは、訳出においても展開式2のように、「主述関係(nexus法則)」によって明快な日本語に変換できるということです。英文構造の中心的な原理である「nexus法則」を再認識してください。

—————————————————————————–
□ 構造式: S1+V1, that S2+V2(接続語thatの用法)
 ⇒展開式1: S1+V1, (so) that S2+V2 (soとthatの省略)
 ⇒展開式2: S1+V1, so (that) S2+V2 (thatの省略)
—————————————————————————–

英文構造は、「主述関係」で構成する主文と、それに「不定詞語句」や「前置詞語句」、さらには主文との関係で「等位節」や「従属節」を加えた構造の表現法です。そして、主文を「主要構造物」とすれば、それ以下の構造物を「付加的構造物」と呼びます。

英語nativeは文頭の「主述関係」である「主要構造物」から文末の「付加的構造物」に至るまで、言うまでもなく「付加的構造物」の主文との関係如何を問わず、「左から右方向へ」読み進めます。

つまり、主文と「付加的構造物」との関係が、「対等(等位)関係」にあるか「主従関係」にあるかの区別をすることなく、英文は「左から右方向へ」向けて表現されます。この現象を「後置用法(後付け方式)」と呼びます。

一方、日本語の表現法は、「前置用法(先付け方式)」といって、主文と「付加的構造物」との関係が、「主従関係」にある場合には、主文の構造物である接続の相手方よりも先に、具体的には「右から左方向へ」訳し上げる表現になるのです。

ということは、上記の構造式のように接続語(that)の直前に一時切断の「カンマ記号」がある場合、接続語(that)の構造的機能は、基本的には前節と後節の関係を「対等関係」とみて、日本語表現においても「左から右方向へ」訳し下げることになります。

しかし、前節と後節の関係が「主従関係」関係にある場合には、日本語表現は「前置用法(先付け方式)」ですから、「右から左方向へ」訳し上げることになります。

そこで、構造式の表現である接続表現「, that」の構造的機能は、果たして前節と後節を「対等関係」に接続しているのか?、それとも「主従関係」に接続しているのか?ということになります。

その決定に当たって、先ず表現法として上記のように「展開式1」と「展開式2」があり、基本的な表現法は「, so that」であって、構造式は「副詞so」の省略形です。

次に、その接続の用法ですが、基本的には前節が「原因」となり後節がその「結果」なる「等位接続語」だということです。訳出は、原因・結果を繋ぐように「それで、その結果」となりますが、その決定基準は上記の構造式で示すと2つの動詞「V1とV2の関係」から判別します。

もう一つの用法に「条件(if)」があるのですが、この場合は前節と後節の関係が「主従関係」になり、日本語の表現法は「前置用法(先付け方式)」で、「右から左方向へ」訳し上げることになります。

————————————————————————
□構造式1: allow+ O to-inf (V+O+C )
⇒展開式:O to-inf(O+C = S+V)

□構造式2:it is+C (for them) to-inf
⇒展開式:(for them) to-inf (for+O to-inf = S+V)
———————————————————————–

「意味上の主語(sense subject)」は、「文法上の主語」に対して用いられる用語であり、文中で「文法上の主語」以外の主語の表現法を指します。

「意味上の主述関係」の形態は多様であるために分類化しなければなりませんが(拙著の中で論じた記憶があります)、ここでは2例(不確かですが、全部で5例だったと思います)を取り上げました。構造式1の展開式では「allowの目的語O」がそれにあたり、構造式2の展開式では「forの目的語O」がそれにあたります。

「文法上の主語」と「意味上の主語」の見分け方は、一般的に「文法上の主語」は節の文頭にあって、述語との間に「一致の法則」が適用されていますが、「意味上の主語」は、広義でいうと文中の「動詞ないしは動詞の変化形」があるところには、必ずその直前か前方に「意味上の主語」があるのです。これが英文の中心的構造であり、「nexus法則」の姿なのです。従って、「意味上の主語」もこの「nexus法則」に基づいた英文構造の一つの構造物ということです。

構造式1は、動詞の種類による基本文型でいうと「第5文型」です。なぜ英文の基本文型が動詞の種類によるかというと、動詞の「構造的機能」によって主語があるし、目的語も補語あるからで、その意味で動詞は英文構造の中心的文要素ということになります。

この「第5文型」の不完全他動詞allowの「構造的機能」によって、直前に「文法上の主語」があり、主語と動詞の間に「一致の法則」が成立し、背後に目的語Oと補語Cが配置されています。

その補語(C)に動詞の変化形の「to不定詞」が使用されていることから、この「to不定詞」は自動的に「意味上の述語」となります。そして、直前の目的語Oが「意味上の主語」になります。その場合の「意味上の述語」である補語をnexus法則から「目的格補語」と呼びます。

構造式2は、通称「(for)~to構文」と呼ばれる表現法で、前置詞forの目的語と直後の不定詞to-infとの間に「意味上の主述関係」が形成されます。その場合、「意味上の主語」であるfor-phrが省略されることもありますが、それはこの「意味上の主語」が「一般人称(us、them)」の場合に生じる現象です。

このように英語では、英文の構造論において「文法上の主述関係」と「意味上の主述関係」を明確に区別しているのですが、もちろん日本語にはそのような法則(二重構造の「主従関係」)はありません。では、日本語でその区別をどのように処理するのか?ということです。つまり、日本語への訳出に際して、「意味上の主語」である構造式1の「目的語」を目的語としてではなく「主語」として、また構造式2の「for-phr」を副詞語句としてではなく「主語」として訳出しなければならないか?ということです。

この問題は、言うまでもなく日本語の表現法の問題であり、「nexus法則」を前提とした英文構造の文頭語法や動詞語法の「構造的機能(役割、働き)」について考察し、その考察に基づく日本語の捉え方によって決定されるものと考えています。

この問題に関する私自身の捉え方は、翻訳する場合、往々にして「文法上の主述関係」を「副詞語句的に」変換し、逆に「意味上の主述関係」を「文法上の主述関係」に格上げした方法で変換するようにしているのです。理由は、その方が「文章の構造」を重視しない日本語において英文の文意をより忠実に再現できるということからです(拙著「でんしゃ理論」における「文頭システム」欄)。

Copyright(C) Saikigakuen Co., Ltd.