日英翻訳コンテスト

朝日新聞 5月5日
見出し

若者バッシングはいい加減にしてほしい。お金がないだけ!

本文 「若者の車離れ」「若者の旅行離れ」など、「若者の○○離れ」という言葉が存在する。メディアはその原因を若者の意識の低下のせいだと指摘するが、果たしてそうだろうか。

根源にあるのは「お金の若者離れ」だというのが私の考えだ。国税庁の2016年度給与実態調査によれば、20代前半の平均年収は258万円である。

この収入の中で月々の家賃や水道光熱費、奨学金の返済などをやりくりし、さらに将来支払われる保証もない年金のことを考えて貯蓄に回すと、思うように使えるお金はほとんど手元に残らない。

総評

出題者から皆様へ

最近ソーシャルメディアの普及で、ひとつのトピックが広がるのが速くなった一方で、よく理解しないまま意見を述べる人や、論点が次第にずれて行き、そもそも何の議論だったのか誰も分からなくなっている、というケースをよく見かけます。この投稿もいろんな側面から議論の呼び水になったようですが、ここでは「車離れ」や「旅行離れ」という社会現象の検証というよりも、「若者」という一般化への反発が趣旨のようです。確かに「若者」に限らず、女性、男性、外国人、移民など、カテゴリー化して一般論を語ると、年齢や性別、国籍だけで判断しないでほしいという反感を読者に持たせやすいのではないでしょうか。

いずれにしろ、「車離れ」や「旅行離れ」というのは業界側の用語ですから、個人のレベルでは、車を持ちたければ持てば良いし、旅行したければすれば良く、無理にする必要も悲観する必要もないのです。実際、欧州では年齢や収入問わず、環境や健康のために車をやめて自転車通勤に切り替える人たちも多いですし、ポジティブな変化として捉えられています。

さて、今回の翻訳のキーワードは、繰り返し出てくる「〜離れ」と「意識の低下」でしょう。前者はいろんな表現が可能ですが、3つの文脈全てに利用できるフレーズを見つけるに当たって、クリエイティブさを発揮したいポイントです。

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