日英翻訳コンテスト

総評

出題者から皆様へ

今回の課題文では、2021年から2022年の倒産減少を「成功」と捉えるのではなく、協力金による「一時的な延命」であった可能性を示唆しています。本来であれば市場原理で淘汰されていたかもしれない店舗も、公的資金によって存続できました。しかし、その支援という「防波堤」がなくなった今、溜まっていたリスクが一気に押し寄せているという厳しい現実の転換点が鮮明に描かれています。
また、単に「物価高」や「人件費」といったコスト面だけでなく、「接待」「忘新年会」「二次会」の減少という「日本人のライフスタイルの変化」に触れている点に深い洞察を感じます。コロナをきっかけに、日本のビジネス文化の象徴であった「飲み会」が構造的に縮小し、飲食店にとっての「利益率の高い需要」が戻らないという絶望感が、この文章の背景に漂っています。
最後の一文にある「年明けになると…」という指摘には、非常に強いリアリティがあります。12月(忘年会シーズン)は飲食店にとって最大の稼ぎ時ですが、そこで十分な利益が出せなければ、1月・2月の閑散期を乗り切るための「手元の現金」が底をつきます。この「資金繰りのカレンダー」を踏まえた予測は、現場をよく知る筆者の警鐘として非常に重く響きます。

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