日英翻訳コンテスト

西日本新聞 国際面 2019/9/2
見出し

アフガンの地で 中村哲医師からの報告―花を愛し、詩を吟ずる

本文 アフガニスタン東部のガンベリ砂漠は今、平和な静寂が支配している。かつて荒涼たる水無し地獄だった原野は深い森が覆い、遠くで人里の音-子供たちが群れ、牛が鳴き、羊飼いたちの声―が、樹々(きぎ)を渡る風の音や鳥のさえずりに和して聞こえる。

我々はつい教育の重要性を説くあまり、地域に根差す豊かな文化を忘れがちだ。経済的な貧困は必ずしも精神の貧困ではない。識字率や就学率は必ずしも文化的な高さの指標ではない。「これで生きられる」というあの安堵(あんど)の叫びの中に、自信と誇りが込められていたと思えてならない。

総評

出題者から皆様へ

新年あけましておめでとうございます。


さて、今回の課題もさまざまなことを考えさせられる内容でしたね。
中村医師の事件については、テレビや新聞でも報道されていたこともあり、
関心が深かったのではないでしょうか。
そのため、応募者みなさんの英訳は素晴らしく、レベルも高いものでした。
これは翻訳をする上でとても重要で、翻訳する内容を理解する、
ということが翻訳の質の向上につながっていきます。

次回も期待しています。

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