総評
出題者から皆様へ
何事にも「懐疑思考」で臨もう:
随分昔のことになるのですが、私が大学や大学院(法科・MBA)などへの進学予備校を開設していた時分のことですが、ある進学高校の一般的には優秀な生徒が英文読解の授業の中で、正に学校指導のままに全ての英文を徹底して「右から左へ」訳し上げようとしたのです。
勿論、動詞の構造的機能の及ぶ範囲で、例えば他動詞であれば後方の目的語から前方の動詞に向けて訳し上げることは可能なのですが、それを英文の全ての構造物に適用できないのは言うまでもありません。
では、どのような場合に「左から右へ」訳し下げ、どのような場合に「右から左へ」訳し上げるのかについての知識を持たないままに、彼女は「右から左へ」の訳し上げは一部の構造においては日本語になるという単純な非学問的処理によって、行き詰っていたのです。(ここで、一言差し挟みますが、すでに述べたことでもあるのですが、学校文法では今度は逆に「左から右へ」訳し下げる一つの方法として、「スラッシュ方式」を採用しているところもあるようです。とりあえず、結論だけ述べておくと、それは翻訳という作業ではありません。)
最終的に私の講義の中で彼女がどのように理解したのかは確認できていませんが、ともあれ一般的に言われる高い偏差値の大学へ進学したのです。日本の大学の入学試験はこのような不完全というよりも、そもそも間違った知識でも通じるのですが、知っての通り21世紀の現代社会にはそのような非科学的な知識は、有益どころか有害そのものです。
私は、今後特に欧米との深化するグローバル社会の中で、上記のような権威主義社会に見られる非科学的基準の偏差値に未来を託すことはできないと考えているのです。人間の生み出した何事についても、常に「疑いの目と心」で観察する姿勢を貫いてほしいものですね。
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