総評
出題者から皆様へ
前回の応募総数は79通でした。以下、応募者の多かった地域名を公表します。奈良県40名様、東京都10名様、愛知県4名様、福岡県3名様、そして海外からは米国1名様でした。
応募者の方々の志向が、少しずつ単なる学習のための翻訳から、実用のための翻訳へとステップアップしてきているように思われます。飛び出す質問がそうですし、やはりリピーターが多くなったことからも窺えます。しかし、そうなるとこのコンテストで到底カバーできるものではありません。その点について、「お便りコーナー」で少々述べておきましたので一読下さい。
さて、前回のヘッドラインを少し解説しておきましょう。これは、何人かの方々が質問されていたように、"signs"と"point to"の関係を如何に日本語に変換するかということです。言うまでもなく、この二語は主語と述語の関係にあるわけですから、相互の関係が矛盾することなく合理的に繋がる必要があるわけです。ですから、この二語を合理的に関係づけるには、主語よりもむしろ述語の"point to" に注目する必要があるのです。この動詞を正しく捉えることによって、「お便りコーナー」で述べておきましたが翻訳理論における「邦訳への訳出法」へステップできるのです。応募作品の多くはこの点が間違っていて、「決定」とか「指示」とか「〜になる」といった訳出になったのです。
それでは次回まで。